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チョウ・ユンファ
チョウ・ユンファは、1955年、香港新界南Y島で生まれる。実家は貧しく、高校を卒業すると家電工場に勤め生計を立てる。
1973年、友人の勧めによりタレント養成所に入る。TVシリーズ「上海灘」で注目され、『投胎人』(76年)で映画デビュー。『風の輝く朝に』(84年)でアジア映画祭主演男優賞を受賞。
そして『男たちの挽歌』(86年)が大ヒットし一躍スターダムに(同作品は香港アカデミー賞作品賞を受賞)。それ以降、ジョン・ウー作品には欠かせない存在となる。
1986年〜1987年の2年間は主演作が合計17本と、演技派俳優として幅広い演技で活躍し、“亜州影帝”(アジア映画の帝王)と呼ばれるようになる。まさに「チョウ・ユンファ黄金期」だった。
90年代にはB型肝炎による闘病や子供の死産など不幸が続いたが、95年に渡米し活躍の場を広げた。ミラ・ソルヴィーノ共演、アントン・フークワ監督の『リプレイスメント・キラー』(98年)でハリウッドに進出。
ハードボイルドで硬派な役からコミカルな役柄まで難なくこなす、まさに稀代の俳優と言える。名作ユル・ブリンナー主演『王様と私』のリメイク、『アンナと王様』(99年)ではシャム王国(タイ)の王様役で重厚な演技を見せ、子供たちの家庭教師として招かれたイギリス人女性アンナ役のジョディ・フォスターと共演し、世界的人気を不動のものとした。
アン・リー監督の『グリーン・デスティニー』(00年)ではリー・ムーバイ役を演じ、演技のみならず剣戟アクションでも魅せている。そしてこの作品はチャン・ツィイーが共演しその秀逸なアクションも一見の価値がある。
近年では、力を秘めた巻物を持つ僧とそれを追う武器商人との対決を描いたコメディ・テイストのアクション映画、ポール・ハンター監督の『パレットモンク』(03年)《上記画像》に主演している。
『男たちの挽歌』DVD紹介 おすすめ度:★★★★
1986年制作の香港映画。監督はジョン・ウー、主演の一人であるチョウ・ユンファはこの作品が出世作となった。香港映画の存在と流れを変えた、革命的な作品とも言える。これを見ずして、ジョン・ウーを語るなかれ。それほどの貴重な作品である。
今までコメディやカンフー映画が主流だった香港映画のイメージを一新させ、"香港ノワール"という新たなジャンルを確立した、香港映画界の金字塔的な作品でもある。
香港マフィア内の権力抗争を背景に、組織に身を置く兄と、彼の兄弟分である組の幹部、そして兄の逮捕に執念を燃やす刑事の弟。これら3人の男たちの友情と確執をドラマチックに描く。幹部役を演じたチョウ・ユンファは本作で大ブレイク。アジア最大の映画スターに昇りつめた。
昭和40年代から50年代にかけて量産された日本のヤクザ映画を彷彿させる内容、激しいガンアクションや火薬を大量に用いた爆発シーンは話題を呼び、香港のみならず、アジア各国でも大ヒットした。
この人気によりシリーズは計4本、制作された。しかし、「狼 男たちの挽歌・最終章」「ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌」は監督と主演が同じだけでシリーズとは関連性のない、日本で勝手に同じタイトルがつけられたものである。
香港偽札シンジケート組織の幹部ホー。香港警察の刑事キッド。水と油の職業に就く二人は、兄弟だった。ホーには、長年仕事をしてきた相棒のマークがいた。キッドが警官になると言い出した時ホーは、足を洗う決意をする。最後の仕事は台湾での取り引き。
しかし、これが三人の運命を大きく転換する事になる。ホーは組織の裏切りに合い逮捕され、三年の服役。父親が殺害された本当の理由を知ったキッドは兄を憎むようになる。そしてホーの仇討ちに行ったマークは、弾丸を右足に受け負傷。
組織は三年の間に大きく様変わりし、かつてホー達の舎弟だったシンが牛耳っていた。堅気になり弟の信用を回復したいホー。許せぬキッド。失ったものを奪い返したいマーク。三人三様の想いが交差し香港全土を揺るがす大銃撃戦へと発展していく。
この作品は全体を通して「男の美学」が描かれ、男にとってはこれがバイブルになりうる、男の映画である。
『グリーン・デスティニー』DVD紹介 おすすめ度:★★★★★
この作品は、凄まじいスピードで息もつかせぬド迫力のスーパー・アクション・シーンでは、躍動感溢れる太鼓の響きが遥か彼方まで広がる雄大な中国の風景に悠々と広がる美しさと融合し、観る者を引き付ける。
このアクションは『マトリックス』(99年)でその技術力の高さを世界中に知らしめた、ユエン・ウーピンのワイヤーアクションが冴えるアクション大作。2000年度アカデミー賞で、最優秀外国語映画賞、最優秀撮影賞、最優秀作曲賞、最優秀美術賞の4部門を獲得した。
全世界を興奮させた『マトリックス』は、ワイヤーアクションをメジャー映画に定着させる画期的な映画であった。本作はそうした流れを引き継ぐ、あるいはアジア映画のアクションを一新させた作品である。
中国で生まれ、世界を駆け回り、再び故郷へと戻ってきたワイヤーワークは、まさしく芸術品とも言える完成度を誇る。
そういえば本作の監督、アン・リーもまた、中国を飛び出し世界を回り、そして戻ってきた男である。世界の映画の様々とした要素を吸収し、変容を遂げてきた娯楽映画の先鋒に本作が立っている。もっと言えば、映画が進化しつづけて行く先に、本作が立っている。そんな傑作である。
19世紀初め、老荘哲学(道教)の価値が尊重され、武術の英雄たちが尊敬されていたこの時代。許されない愛に苦悩する二組の男女がいた。
400年前に作られ、太古のパワーに満ちた秘剣−グリーン・デスティニー(碧名剣)の使い手としてその名を轟かせる英雄リー・ムーバイと、その女弟子であるシューリンは、密かに心惹かれ合いながらも、長い間自分達の幸福よりも人々のため正義に生きてきた。
そしてもう一組、貴族の娘イエンと盗賊の頭ローもまた身分は違いながらも惹かれ合い、激しく愛しあっていた。この二組の男女が、英雄の剣をめぐる復讐のドラマの中で、真実の愛を知っていく……。
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